『
怒りと誇りと』
《
モラン刑事登場 6》
朝の一係 電話が鳴る
ミゲル「多分、あいつからだぞ!」
やーさん「俺は口を利くのも嫌だ!ダム出てくれ!」
「あっしがですか?」
ダム電話に出る
「はい!はい!
お大事に!」
電話を切ったダム
「スルー先輩、
今日は休みだそうです!」
スノーク「一層
ずっと休んでてくれないかな? 」
やーさん「昨日も酷かったんですか?」
「最悪!!」
昨晩の事を思い出して不機嫌になるミゲル
「サナエさんの我がままを許しているのは、係長であるわたしの責任だわ!ごめんなさい!」
ママ皆に頭を下げる
「いや!悪いのは、ウチの
兄貴だ!すまん!」
やーさんも頭を下げる
ダム「悪いのは、ママややーさんでは、ないっすよ!」
麗 金魚鉢の金魚を嬉しそうに目で追っている
ゼベッド「金魚さん達は元気かな?」
麗 こくりと肯く
「
志◎先輩にも金魚見せたかったのにな?」 金魚には係の刑事其々の名前がついていた
スノーク「
あの女はそんな事で喜ぶ様なタマじゃないぞ! 」
「
うららちゃん!昨日だってあんなに苛められたじゃないか? 」
相変わらず名前が、憶えられないミゲル
麗「
でも私、先輩に好きになって欲しいんです!」
「
昨日、ダムに借りて『ムーミン』読んで見たよ!
本当に山際君は、モラン見たいに健気な子だな?」
やーさん目頭を拭う
「それに引き換え、スルー先輩は
性悪ですからね?
金魚を見ても多分こう言ったと思いますよ!
『
あんた達は金魚だけどあたしは熱帯魚なのよ!』
おひょひよひよ!」
ゼベット「そろそろ時間ですよ!皆さん!」
署では、毎朝8時に署員が中庭に出てラジオ体操をするという決まりが、あった!
「君達はまだそんな馬鹿な真似をしているのか?
ラジオ体操は組織に対する踏み絵である事にまだ気が付かないのか?」
棚か元巡査、ハンドマイクで叫んでいる!
顔を見るのも嫌なダム、やーさん 目を背けて行く
しかし麗の目付きが変わった事に気が付き両側からガードをして歩く
ゼベッド「
あんたもう部外者なんだから此処まで入って来て貰ったら困るよ!」
棚か「
それなら辞めた会社に遊びに行く人に何故文句を言わない? 」
ダム「
文句は言いませんが馬鹿だな〜とは思っては見てますよ!
遊びに来るくらいなら何故、辞めたんですか?」
棚か「
遊びに来る事に何の問題もないんだ!
会社の人と親睦を取る事が大切なんだ!」
やーさん「
何時も勝手な理屈を並べて親睦を拒否して来たのは、誰なんだ?
あんたのしている事で周囲がどれだけ迷惑をして来たと思っているんだ!」
棚か「
わたしのした事で例え、誰かに迷惑を掛けたとしてもわたしのした事と迷惑が、掛かった事は全然別の事なんだから何の責任も感じる必要はない!
そんな小さな事より、何故今ある規則に疑問を持たない?」
麗「
今ある規則を守る為に警察はあるんじゃないですか?」
棚か「
それなら駐車違反は、どうなんだ?
駐車場がない事が悪いのにその問題には目を瞑り、駐車違反だけを取り締まれば良いのか?」
麗「
公共交通機関をご利用下さいと言われているのに車で来る人、駐車場があるのに路上駐車をする人は取り締まらなくてはならないのではないですか?」
棚か「
公共交通機関が不当に高いのがいけないんだ!
駐車場だって皆の納得の行く値段だったら路上駐車をする人なんて一人もいないんだ! 」
ダム「
ぷふつ!一人もいないなんてあんたに断言出来るんですか?」
やーさん「
万人の納得出来る値段っていくら何だ?
『一円でも出すのは、嫌だ!』って言う奴らだっているぞ!」
棚か「それなら
全部只にすれば良い!」
ダム「
駐車場を只にして管理会社の人達は、どうやって食べて行けと言うんですか?
死ねと言うのですか?」
棚か「そのくらいは
自分で考えろ!」
「
反対するなら代替案を出してからにしろよ!」
普段はおちゃらけているダムが珍しく怒りを全面に押し出す!
棚か「
出す必要がないんだ!」
ゼベッド「
先も言っただろう?
此処は署の敷地なんだ!
退去命令を無視するなら不法侵入で逮捕せざるを得ないぞ!」
棚か「
それじゃああんたらは、キャツチ・ボールをしていて逸れたボールを取りに言って他所の庭に入った事はないのか?
空き地で遊んだ事がないのか?」
やーさん「
全然、別の事を言っているのは、あんたの方だろ?」
棚か「
子供達の遊べる公園がないのが悪いのに子供達だけを責めればそれで問題が解決するのか?」
ダム「
あっし、キャツチなんてした事ないですよ!
なんせ親父が糞だったもんで!
なんか思い出したら腹が立って来た!」
麗「
私もこの髪だから『空き地から出て行け!』と他の子やその親達から言われましたよ!」
二人は顔を見合わせて笑う!
棚か「そんなのは
特殊なケースだ!」
「何?」殴りかかろうとしたダムを押えるやーさん
麗「
どんな特殊なケースだって私は一人しかいない私なんです!」
棚か「
そんな事を一々考慮して貰えると思っているのか甘えるのも大概にしろ!」
今度は麗が殴り掛かろうとする!
止めようと羽交い絞めにした
ゼベッド引き摺られる ミゲル「
棚かさん!あんた今までは元先輩だし歳も上だからと思っていて黙っていたけど少しは分というモノを弁えたらどうだい?」
棚か「
そうか?その割には、人殺しの狼男は今でも持て囃しているそうじゃないか?」
「先輩を悪く言うな!」
棚かを殴ろうとするミゲル
それより早く手を出したのは、スノークだった!
(
実際の棚かもこんなモノですよ!)
その日の夕方、皆が署に戻ると係長の椅子にスルーが座っていた!
ダム「先輩、休みじゃなかったんですか?」
スルー「デカデカが、またあたしの許可なく勝手な事をするんじゃないかと思うと心配で心配で来て上げたのよ!」
やーさん「君が今、座っているのが誰の席か分かるか?」
「良いじゃん!何れはあたしが、座る事になるんだから!
それでさあ、オバハンは? 」
スルー 係長とかかれたプレートをイタズラしている
ミゲル「お前なあ、根本的な口の利き方から改めた方が良いぞ!」
スルー「そんな事よりお前なんで昨日あたしの分の飲み代払わなかったんだよ?」
ミゲル「あんたは昨日、たまたま隣に座っただけの客!
そんな奴の飲み代まで何で払わないといけないんだ!」
スルー「当たり前だろ?
女の子なんだから!
さてと今日は誰に奢らせるかな?」
皆、スルーをスルーしている
ママ戻って来る
自分の席に座っているスルーを見て
「あら係長さん!
貴女、お辞めになったんじゃなかったの?」
スルー「ねえ、あたしはちゃんと五時前に来てやったんだから出勤にしなよ!」
ママ「貴女、まだ酔いが覚めてらっしゃらないの?」
スルー「ペイペイに言ってもラチ開かないか?
直接、やっちゃんのお兄さんに掛け合うから良いや! 」
ダム「平平と書いてペイペイと読むんじゃないんですか?
先輩!確か国文科出ているんでしたよね?」
やーさん「海外留学をしてた事もあるんだったな?」
ミゲル「俺には理工学部と言ったぞ!」
スルーは高卒なのにその場、その場で学歴を偽っていた!
スルー「全部本当なんだから仕方がないじゃん!」
ミゲル「あんたの話が全部本当だとしたらあんた60は過ぎたババアと言う事になるぞ!」
スルー「そういう事を言うとセクハラで訴えるよ!」
一同、顔を見合わせて笑う!
スノーク「係長!わたしの為にご迷惑をお掛けしてすみません!」
ママ「別に構わないのよ!
わたしだってあの人の事は、苦々しく思っていたんだから!
むしろあの人の勝手な行動を取り絞まれなかった役付きの人間の方に責任が、あるわ!」
ダム「でもあいつ何の罪もない民間人に官憲が暴力を振るったと騒いでいるそうですね?」
やーさん「自分はまだ警察の人間だと言ってみたり、都合の良い時は民間人と言ってみたり調子の良い奴だ!」
ミゲル「俺だってあいつは前から殴ってやりたいと思っていたよ!」
「聞いたよ!
お前!棚かさんの方が、イケメンだからヤキモチやいて殴ったんだって?」
(盲腸の審美眼もズレテいました!)
スルーされるスルー
其処へゼベッド、麗戻って来る
「丁度良かった!親父さんもモランも俺が、何故あいつを殴ったか聞いてくれ!」
スノークの回想
船村 剣 小学5年の夏休み
剣「友美!友美!行くぞ!」
「まだ眠いよ!」
妹の友美は小学校2年だった
剣「それじゃあ置いて行くからな!」
靴を履いている剣に母が声を掛ける
「お前!友美の分の判子を貰って来てないそうじゃないか?」
「友美は、ラジオ体操に行っていないんだから当たり前だろ?」
「お前は、お兄ちゃんなんだよ!」
「1年生の子だってちゃんと来ている子がいるんだよ!
ラジオ体操に来ている子と来ていない子が、同じだったら不公平じゃないか? 」
「他所は他所!ウチはウチ!」
「嫌だ!僕は絶対にズルは、したくない!」
「お前は、本当に融通の利かない子だね?
今日もまた判子を忘れたら旅行に連れて行かないよ!」
「良いよ!僕は行かない!」
「朝御飯も食べさせないよ!」
「分かった!食べない!」
「朝だけじゃない!昼も夜もだよ!」
「良いよ!」
「今日だけじゃないよ!
明日も明後日もだよ!」
「い、良いよ!」
次第に決心の鈍って来る剣
「五月蝿いな!目が覚めちゃつたよ!」
友美が起き出して来る
「何だ!起きているのか?それじゃあ行くぞ!」
「かったるい!」
「それなら判子も貰えないぞ!」
「良いじゃん!
貰って来なよ!」
「何だ?その言い方は?」
「そんな事は良いから早く行きなよ!
遅れたらあたしの分の判子も貰えなくなるじゃん!」
「ふざけるな!」
「何で?去年も貰ってくれたじゃん!」
「その為に僕は、卑怯モノ呼ばわりをされたんだ!」
母「たかがラジオ体操くらいでお前は肝の小さい男だね?」
「どうして?
そのたかがなラジオ体操の判子なんか欲しがるんだよ?」
「どうでも良いモン何だから別にどんな方法で貰っても良いんだよ!」
「だからそのどうでも良いモンが、どうして欲しいんだよ?」
母「良いから行きなよ!」
剣泣きながら家を飛び出す!
「僕は、僕は1年の時から一度もラジオ体操を休んだ事がないのに!
それも!それも!これでチョー消しだ!」
ラジオ体操が終わった後、他にも弟や妹の分まで判子を貰って行く子はいた!
それでもどうしても「妹の分を下さい!」と言えない剣!
一大決心をしてラジオ体操第二を始める
「ねえ見て!何あれ?ダサイ!」
「馬鹿じゃない?」
校庭の子供も大人も皆、剣を指差し笑った!
「僕は第二までやったんだから妹の分の判子を貰ってもズルじゃないですよね?」
「そんな事までしなくても判子くらい押してあげるよ!」
苦笑を浮かべる町内会長
「それじゃあ!それじゃあ!駄目何です!」
校庭中の子供も大人も腹を抱えて笑った!
しかし剣は泣いていた!
「見損なったわ!船村君!
たかが判子の為にあそこまでするなんてプライドがないのね?」
それは、剣の初恋の少女だった!
プライドが、ないのね?
プライドがないのね?
プライドがないのね?
プライドが、ないのね?
皆、涙を浮かべていた!ただ一人を省いては・・
麗は黙ってタイトルの歌を紙に書く
スノークに渡そうとすると横から引っ手繰ったのは、スルーだった!
「汚い字!
歌だか詩だか分からないけどこれも下手糞!
何て言うかさあ感動が伝わって来ないのよね?」
続く
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こういう話も実話が元になってますから重いと言えなくもないですけど、かなり気が楽です。
>「志◎先輩にも金魚見せたかったのにな?」
気持ちが通じない相手はたくさんいますが、その大将格ですからね・・。
>『ムーミン』
俺も読んでみたいと思います。
>ラジオ体操は組織に対する踏み絵
忠誠心があるかどうかという事ですよね?どう思おうと勝手ですけど、人に強要するもんじゃあ無いと思います。ましてや忠誠心の無い人にどうこう言われたくありませんね。
>わたしのした事で例え、誰かに迷惑を掛けたとしてもわたしのした事と迷惑が、掛かった事は全然別の事
要するに責任なんか取らないぞ!って事ですね。一生引きこもってやがれ。
>「そのくらいは自分で考えろ!」
自分の発言の責任すらもとらずに済ませようってか?
現実にこんな奴がいるんだから笑ってしまいますね。笑い事ではないですけど。
>甘えるのも大概にしろ!
はいはい。お前がな。
>「デカデカが、またあたしの許可なく勝手な事をするんじゃないかと思うと心配で心配で来て上げたのよ!」
・・誰の許可だと?それに心配なら朝から来いっての。
>「そんな事よりお前なんで昨日あたしの分の飲み代払わなかったんだよ?」
お前なんか無銭飲食で捕まってろ。
>「ねえ、あたしはちゃんと五時前に来てやったんだから出勤にしなよ!」
終わる前に来たから出勤?バカじゃねえの?
クビ。
>「朝御飯も食べさせないよ!」
>「良いじゃん! 貰って来なよ!」
苛々しますねえ。
モデルになったのが誰なのか・・想像はつきます。
>たかがラジオ体操
・・というわりに、人に苦労させて結果だけは欲しがるのだから手におえません。
>「それじゃあ!それじゃあ!駄目何です!」
相手は小学生とはいえ、ここまでの決意をして恥を忍んだのですから、その気持ちは汲んであげて欲しかったですね。笑い事ではありません。
>プライドが、ないのね?
あるからこその行動でしょう。
>何て言うかさあ感動が伝わって来ないのよね?
お前に感動する心なんかあったっけ?
続きを楽しみにしています。