横浜の中学校には給食がありません。お弁当を持って来ない子は出入りの業者からパンを買うのですが、私は順番に回って来るパン係が苦痛でなりませんでした。
係がおつりを計算して渡すのが待ちきれず、積まれた硬貨の中からお金を持って行く人は、場面が変れば
他の人を待たせて何の痛痒も感じない人です。
私は一人でお弁当を食べるのを悲しいと思った事はありません。(と言ったら嘘になるのかもしれませんが)無理矢理に机をくつけて貰っても
箸の持ち方やおかずの内容にとやかく
言われるのでは食事を楽しむ事は出来ません。
我が家ではお弁当を作るのは私の役目でした。「野菜を同じ大きさに切る事が出来ないから火が均等に通っていない」「色彩も悪い」
姉は「友達の前で食べる」のは恥かしいからと母にパン代を要求しました。姉が「本気」になれば何事に於いても私が勝つ事は出来ないくらいは分かっています。
私は母から毎週、決まった額を貰い買い物をしていました。
少しでも安い店を探し、おつりを返さずに古本を買ったりした事はあります。それでも姉よりは「家庭の経済」について考えていたつもりです。姉が天心爛漫に振舞えば振舞う程、私は自分の要求を封印せざるしかありませんでした。
でも私も昼食にパンを買える家の子に生まれたかったのです。「頂戴!」お弁当箱の蓋だけ持って席を回り、おかずを漁って歩く子がいます。要求するのは一番のメイン・デイッシュです。
社会に出て見て同級生や姉が特別な人間でないと分かりました。
「急いでる」とレジに割り込む人は値段を言われてから鞄の中から財布を出し、また財布を鞄の中に戻すまでレジの前を動こうとしません。
社内においても同じです。人数分あるお土産も全員の口には入りません。アソートではチョコレートが先になくなりキャンデイだけが残ります。
もっともいい例は誰かが人権を盾に休みを要求すれば別の誰かが通常の休みすら取れなくなる事です。 三食の サンドウイッチ その中の
フルーツサンド 選べる女自分はお金を出していないのにですよ!
校門の前に母娘の営む小さなパン屋がありました。下校時間までは門の外に出るのには教師が判を押した外出許可書が要ります。
「これを見せないと商品は売らないでくれ」学校は店に要請を出していました。母親の方はそんな事は関係なく売ってくれるが、娘は絶対に応じてくれないという話でした。
「父親は女と逃げた」(その相手が教師という説もありました。)
「娘は出戻り」いや「行かず後家」
その店には様々な噂がありました。
「やっぱりオールド・ミスは困るな!」
中学生の多くは母の方に軍配を上げましたが果たしてそうでしょか?
噂が本当ならその娘さんが規則に頑なになる気持ちが分かります。
外出許可書なんて無視して外へ出て行く子はまだ勇気があります。
他の子が教師に頭を下げて外出許可書を貰うと「ついでだから」と言って買い物を命じる子がいました。
予め買い物がある事が分かっているなら何故、届けを貰いに行かなかったのか?もし新たに買い物を思いついたならその時点で自ら許可を取りに行くのが筋というモノではないでしょうか?
私の言っているのは小さな事ですか?
大人になってからも平気で規則を破ってしまう人がいます。
「そんな規則があるのがいけない!」彼らは必ず主張します。
その規則が本当に理不尽且つ無意味なものであるならば話し合い、改善をして行く努力をするべきです。
実力行使が先に来てしまうのは何故なのでしょう?
数年後、母校を訪れた時、その店はありましたが母親の姿は消えていました。娘さんが一人で店番をしていました。
私は昔の夢を果たす為にパンをひとつ買いました。
当時、言われていた通りに賞味期限が切れていました。
「あんたは店の前の道を歩いてるだけで目立ったからね」
私の事は憶えているそうです。
顔ぶれは変っても、「いつの時代も中学生も教師も馬鹿で大嫌いだ!」
とも語っていました。
万引きをした同級生を娘さんが警察に突き出すと譲らなかった時、担任だった纏足先生が「これで文句があるのか?」と店の品物を全部買い取り生徒に配った事を思い出しました。
土地成金のお嬢さんからすればたいした出費ではなかったのでしょうが
中学生の私から見ても納得のいかない処理の仕方でした。
あの娘さんのパン屋は今も中学の前にあるのでしょうか?
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最もなってはならない”教師”というものになってしまったのですね。
見事なほどの「反面教師」です!