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桃色の カーネションを 胸に挿す 君の為なら 火ををも踏まん

1年生の教室に掃除に行くと「怪獣のお姉ちゃん」と言いながら集まって来る子達がいました。
「ガオ〜!」私は両手を広げてお道化て見せました。
後期が「小さな子達が私を見て怪獣の様だと脅えている。私は子供相手に大声を張り上げるだけでは飽き足らず、手を振り上げて叩こうとした!」と報告しました。
私は低学年の教室に行く役は免除されましたが、代わりに皆が嫌がる場所の掃除を一人でする様にと命じられました。
私が1年生の時、とても親切にしてくれるお姉さんがいました。
そのお姉さんがしてくれた様に自分も小さい子に親切にしたいから実は1年生の教室に行く事は楽しみにしていたのです。
「君って大きいね?」お姉さんはある恐竜の名前を捩って私に
「子供ドラゴン」という仇名をつけました。
その頃の私は苛められると相手が上級生でも向かって行く、まさに恐竜の様に凶暴な子供でした。
いつも優しい笑顔を絶やさないお姉さんが元気がなかった事があります。
「ねえ、お姉さんの花の色だけ何で違うの?」
1年生の一人が尋ねました。お姉さんは無理矢理に笑顔を作って
「赤い色が足りなくなってしまったから」と答えました。
真相は別の上級生が教えてくれました。世の中には親切な人がいるのですね?
お母さんがいる子は赤、亡くなった子は白のカーネションを胸に挿します。しかしお母さんと生き別れになってしまった子はピンクの花を飾らなければならない「決まり」があったのです。
「そんなのはお前の学校だけだ!」
多くの人はそう口にします。本当にそうだったと断言出来ますか?
自分が赤だったから憶えていないという可能性はありませんか?
学期の途中で転校してしまう子がいました。子供達に説明される理由は「お父さんの仕事の都合」
突然、苗字が変ってしまう子もいました。
6年の間に三回も苗字が変った子もいました。
凄く嫌な奴でしたが、そうした環境がその子をそういう性格にしたと思うと私は理不尽な要求にも逆らえなくなってしまうのです。
ある程度の年齢になれば子供なりに大人達の世界の事情を察する事が出来る様になります。
しかし「不幸」とは無縁で生きて来たが故にそういう能力を身につける事なく大人になってしまった人もいる様な気がします。
纏足などもそうした一例なのかもしれません。
遠足のバスが護送車とすれ違った時、一人の男子Iが
「(私の苗字)さんのお父さんが乗っている」と手を振りました。
現地に着いてからも浮浪者を見かけると
「はじめまして(私の苗字)さんのお父さん、いつもお世話になってます」と挨拶をしました。
Iは私の顔を見ながら、さも嬉しそうな笑みを浮かべています。
何処の学校でも普通に見かける情景なのかもしれません。
しかし子供の世界でも「本当に親がそうである可能性の子」には言ってはいけないという暗黙のルールがあったのではないのでしょうか?
私は冷水を浴びせられた様な気分になりました。
父が家を出ていってからは毎日、母から
「あんな奴はどうせ浮浪者になるか、刑務所に入っている!」と聞かされていたのです。
その時は唇を噛んで涙を浮かべていただけの私ですが、中学に入ってから復讐の機会が来ました。
「私を泣かす事が出来たらお付き合いを考えて上げてもいい」
ある女子の口車に乗ったIが無謀にも私に挑んで来ました。
お忘れですか?私は一旦キレルと何を仕出かすか分からない女です。
身長は私の方が遥かに上回っています。
紙の様に軽いという言葉はああいう時に使うのでしょう。
I君は私を泣かすはずが自分が教室で泣く破目となりました。
「だらしない!いくらデカくてもたかが女じゃん!」
憧れのマドンナは失望の叫びを上げていました。
多分、彼女はI君とお付き合いする気は最初からなかったと思いますよ!
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プロフィール

鵺娘

Author:鵺娘
昭和●●年3月31日生まれ B型 本当は三女 霊媒体質
身長17●cm(バスに乗ると小4から大人料金を取られました。冷蔵庫より大きい。)
足 27cm 4200gで誕生
別名 マーゴ、バルカンの火薬女
性格 内匠頭+三蔵法師
好きな作家 乱歩 方哉 高橋和己 森忠明
お酒と虫が好き

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